移住 / 5万円以下のハローワークの記録
5月25日(日)に長野市にて「移住 / 5万円以下のハローワーク」というタイトルでイベントを開催しました。告知の段階から他の地域の方が「パクります!」と宣言してくださったので、開催の記録をまとめておきます。みんなに読んでもらおうというより、どこかの地域でやるときにひとつの例として参考としていただければありがたいです。
ちなみに私自身とても保守的で、親から言われた性格は「長所は真面目、短所は生真面目」。大学時代はコレといって何をしたわけでもなく、単位を取ってバイトをしていただけ。実家から片道2時間半の道のりを通学していたので、周りに特段仲のいい友達もいなかったため、周りが就職活動始めているのにも気づかず、乗り遅れた人。
ただそれが功を奏してか(はたまた自由人の親や兄の背中を見て育ってはいたためか)、就活から逃げるようにワーホリで海外へ行き、バイトしだしたツアー会社で気づいたら就労ビザを出してもらったり、今度は安月給ながらも海外で日本人向け雑誌の出版社で働くことになったり、いろんな縁とタイミングでしごとに就き、とりあえず、その都度その都度でやりたいことを選択していってもしごとには困らないような気がしてきていました。
声をかけてもらって、自分の触手が動けばやってみる。それこそ、BELIEVE YOUR TORIHADA、だったのかもしれない。
あ、ちょっと脱線しましたね…。イベントの記録に戻ります。
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【企画に至る経緯】
- 「しごとさえあれば、長野市に移住したい」という旅人が少なからず泊まりにくる。
- 旅人は「しごとはなんでもいい」というが、本心は何でもいいわけではないと思う。(だから現に妄想の域で終わっている)
- 観光スポットがあるだけではダメ。町、そこに住む人が魅力的でないとゲストハウスに旅人は集まらない。また移住を決める発端には旅があることも多い。そういう意味では旅と移住は一本の線の上にあると思う。
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今回のイベントは準備に時間がかかりました。ただ「移住 / しごと」、と言っても何をすればいいか。はじめのころにアイデアとして出ていたのは、「就職」というキーワード。例えば「起業、開業欲のない人」への「就職斡旋」。行政の方の話を伺ったり、長野市にどういう就労サポートがあるか…そんな話を聞く勉強会。ただ自分のなかで違和感がありました。しごととは「就職」VS「起業・開業」の二項対立ではなく、「自分の責任の元に選んだかどうか」なのではないかと。それは自分の周りで気持ちよく働いている人が共通してやっていることでもあった。そして「自分の責任」で選ぶためには、そもそも自分が何をやりたいか、自分自身のことがわからないといけない。そこをすっ飛ばしていると、何か嫌なことがあったときに誰かに責任転嫁してしまうのではないか。また忙しさを理由に他の人に会ったり、声に耳を傾ける時間をとってこなかったのではないか。自分の価値観のなかだけで生きているのではないか。そこで、【推測】【イベント全体のイメージ】として追加項目をたてた。(偉そうに書いてるけど、自分自身もバイト漬けの学生生活でした…)
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【企画に至る経緯】
- 「しごとさえあれば、長野市に移住したい」という旅人が少なからず泊まりにくる。
- 旅人は「しごとはなんでもいい」というが、本心は何でもいいわけではないと思う。(だから現に妄想の域で終わっている)
- 観光地があるだけではダメ。町、そこに住む人が魅力的でないとゲストハウスに旅人は集まらない。また移住を決める発端には旅があることも多い。そういう意味では旅と移住は一本の線の上にあると思う。
【推測】
- 忙しいというのが言い訳になり、「自分がなにを大切にしたいか」について考えてこなかったのではないか。
- 移住に関してあまり調べもせずに「きっとムリだろう」と思い込んでないか。ただの憧れになっていないか。
【イベント全体のイメージ】
- 移住を過大評価することもなく、今のしごとを過小評価することもなく、ただ情報と考える時間を提供する。
- 移住を促進したいわけではない。情報と自分の声を聞く時間、人と話す時間をもって、移住を諦める人がいてもいい。
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(前述の通り自分自身も保守的で自分の価値観のなかで生きていたために悩み迷った。運良く「気持ちよく働ける環境」に今いるけれども、正直それに強く働きかけたわけでもないし、どういうきっかけだったかわからないんだけれども…。)
雇用するほうの気持ちも考えてみると、旅人のしごとが「なんでもいい」わけではないのと同様に、こちらもこちらで「誰でもいい」わけではない。自分の責任のもとで働きかたを選び、働いている人たちなので、雇用に関しても自分自身のしごとに対する責任があるからだと思う。(これはどちらかというと求職者の将来に対する責任、とまではこの段階ではいかないように私は思う)
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【企画に至る経緯】
- 「しごとさえあれば、長野市に移住したい」という旅人が少なからず泊まりにくる。
- 旅人は「しごとはなんでもいい」というが、本心は何でもいいわけではないと思う。(だから現に妄想の域で終わっている)
- 観光地があるだけではダメ。町、そこに住む人が魅力的でないとゲストハウスに旅人は集まらない。また移住を決める発端には旅があることも多い。そういう意味では旅と移住は一本の線の上にあると思う。
- 雇用する側も「誰でもいい」わけではない。
- 実際にFACE TO FACEの状態で雇用が生まれていくのを目の当たりにしている
【推測】
- 忙しいというのが言い訳になり、「自分がなにを大切にしたいか」について考えてこなかったのではないか。
- 移住に関してあまり調べもせずに「きっとムリだろう」と思い込んでないか。ただの憧れになっていないか。
【イベント全体のイメージ】
- 移住を過大評価することもなく、今のしごとを過小評価することもなく、ただ情報と考える時間を提供する。
- 移住を促進したいわけではない。情報と自分の声を聞く時間、人と話す時間をもって、移住を諦める人がいてもいい。
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ということで、企画はとりあえずここまで来た。しごとに関していうと、ハローワークの情報を出したところで、おもしろくない。そんなのはうちじゃなくたって手に入る。行政の人には縁がない私。就労サポートに関しても、自分の思いつく移住希望者が求めている情報とはちょっと違うという勘。それでも、「しごとさえあったら移住するのになぁ」と言っている旅人の、「しごと」はどうやら「収入」に置き換えられるような気がした。ライフワークとしてのしごと、というより、生活を支えていくための「収入」。ある程度社会人を経験したとくに男性にとって「無職」という言葉は一種恐怖であるような気もする。ではいくらの収入があればいいのか。それはいくら【支出】しているかが重要なはず。さて、長野市の人たちがいくら支出しているのか。私自身のはいくらでも教えられるけれども、さすがに近所のかたに「あなたの収支、教えてください」とは聞きづらい…。
と思っていたら、意外にも「え、別にいいですよ、教えますよ」なんて人がチラホラ出てきた。親切だね、みんな…。FBで呼びかけてみたら、友達が友達を紹介してくれ、20代、30代などの《年齢》や、学生、自営業、勤め人、公務員などの《働き方》、《性別》、《家族の有無》《子供の有無》などまんべんなく、なんだかんだで17名分が収支を公開してくれた。各家庭の月給、ボーナス、家賃、水道、電気、ガス、灯油、駐車場、交通費、食費、外食費という項目をたてアンケートを取り、下記のように1家庭1枚の紙にプリントした。
ここで大切なのは情報提供者がいくらの収入を得ているかというよりも、いくらの支出で生活しているかです。例えば上記の情報からは家賃のイメージができ、また「自炊をすればどのくらい削れる…」なんてイメージもできるかもしれません。こういうデータが17人分あるので、こころのなかで自分のライフスタイルや自分の収支と比べてもらいます。知らない者同士6人で1テーブルを作っていたので、17枚を1セットとし各テーブルに配り、テーブルごとに意見もシェアしてもらいました。
「この人、外食費高すぎ!」
「夏にクーラーないって…」「え、長野市はクーラーなくって生活できますよ、うちも無いです」
「都市ガスよりプロパンはだいぶ高いらしい」
「店舗件住居の場合、按分したら家賃はだいぶ低い…」
そんな声が各テーブルから聞こえてきます。
支出のイメージができれば、次にその支出をまかなうくらいの収入を得るにはどうしたらいいのか、となる。
ただ、今回はしごと=収入の話をする前に移住と切り離せない【住居】の話をMY ROOMの倉石さんに挟んでいただきました。(リンク先のFACEBOOKページがあまり更新されていないことから倉石さんの忙しいさが垣間見えたりします…)。不動産屋さんというと事務所を構えそこに常駐し、そこへ物件を持っている人が相談に行き、また物件を探している人が相談に行く、それを仲介するようなしごとに思うのだが、倉石さんが事務所に居る姿はレア。自転車で町を走り抜けて行く姿の方がよく見かける。自分の足で空き家を探しに出かける倉石さんは「朝だとわざわざチャイムを押さなくても、大家さんが庭先で花に水やりしてたりするので話しかけやすい」そんなこともおっしゃっていました。倉石さんからは家賃の相場、住環境、車は必要か、シェアハウス…そんな話をうかがいました。また個人的に「まちなか菜園をやりたいけれども、そんな物件はありますか?」なんて相談をされている方もいらっしゃいました。
チャンネルブックスの出張カフェに加えて、テーマに合わせてセレクトしてくれた近所のBook&Cafe ひふみよさんの出張文庫も来ていましたので、ここで挟んだ休憩も有意義だったかと思います。
休憩のあとは、収入、つまり【しごと】の話を。まず長野の有効求人倍率、日本の平均労働時間、1日のなかでしごとに費やす割合をイメージしました。稼ぐためだけに働き、余暇を充実させるONとOFFを分けるのもひとつの手。しごとそのものを充実させるのもひとつの手。その人が選択し、満足しているのであれば、周りの人が肯定や否定をする必要はないわけで。こちらとしてはただ情報を出し、参加者の皆さんに考える時間を持ってもらいます。
ただエンゲージメントという観点から考えると、インターネットや雑誌で見かける求人情報は雇い主の顔が見えず、雇い主も求職者の顔を見ようとしてはいない。自分としてはFACE TO FACEの方がエンゲージメントは高くなると思う。1166バックパッカーズには移住したての人もよく顔を出します。そして人と人との繋がりからしごとを見つけて行く人も多い。偶然ラウンジに居合わせた人のところでバイトすることになったり、食事にでかけたら「次の週末、人が足りないから手伝って」と言われたり、「おもしろい人に会いたいから、2週間1166BPで働かせてください」という人がき、見事におもしろい人から仕事を得たり。
自分のしごとを選択して今にいたる個人事業主側からしても、雇用するのも「誰でもいい」わけではない。「自分が気持ちよく一緒に働けるひと」、「このひとと組むことで新しい可能性が生まれるひと」、そういう人を求めているのだと思う。またうちもそうだが、1つの店舗でひとりのスタッフに月給20万を出せるほど収入は安定していない業種も多い。しごとが多い時は手が足りないが、それほど忙しくない時期もある。コンスタントに人件費を払い続けるというよりも、忙しいときだけ手伝ってほしい。これは求職者からすると「不安定だからイヤ」と思われることも多いと思うが、「自分でものづくりをしていて、でもそれだけでは食っていけないから少しバイトをしたい」だとか、「まだ何を本業にしたいか探しているので、いろんなことを少しずつ試したい」なんて人もいる。互いが条件をクリアした場合、出会った雇用主と非雇用者の関係はどちらにとっても幸せなものになりそうな気がする。
こういう求人情報はネットに出てくるべきではない気がしたので、ダミーで1166バックパッカーズの求人を下記に添付しますが、こういう感じで合計10つほどの「5万円以下の求人」を出しました。
また、「雇えないけれども、こんな人がいたらいいのにな」という情報も事前に収集した。斯く言う私自身も、松本市と長野市で開業を迷っていた際に、「こっち(長野市)でやってくれたら、うちでギャラリーやるときに作家さんに泊まってもらえるところができるんだけど」だとか「改装手伝える」だとかの声をいただき、それは長野市で開業する大きな決め手となっている。もちろんそのクオリティによるところではあるが、買い支えてくれる人が多くいればそのお店は成り立つのかもしれない。事前に「買い支える求人」として近隣の方から下記のように50以上の情報が集まっていたので、こちらはひとつの意見に対し1枚の紙に、という形でプリントしておきました。
ネットに出てこない「5万円以下の求人」と「買い支える求人」、合計65枚ほどを会場に掲示しました。ただし、見てもらう前に、同じテーブル内で2人組を作ってもらい、その二人だけで少し深めの自己紹介を10分ほどしてもらいました。10分後に何をしたかというと、掲示してある求人情報から、今話していた相手に合いそうな求人を見つけてくる、ということ。掲示した求人は職業名を紙からちぎれるようにしておきました。自分自身がもつ価値観や限界の外側にいる人から、自分自身はどんなふうに見えているのか。何ができそうに見えているのか。試験的な試みでしたが、笑いが生まれ、話もつきない時間となりました。
もう一度休憩を挟みます。その間に各テーブルには模造紙を。休憩開けから【ワールドカフェ】へと入る準備です。
ワールド・カフェとは、“カフェ”にいるようなリラックスした雰囲気のなか、参加者が少人数に分かれたテーブルで自由に対話を行い、ときどき他のテーブルとメンバーをシャッフルしながら話し合いを発展させていくこと。相互理解を深め、集合知を創出していく組織開発の手法です。(kotobankからの引用)
本来であればワールドカフェは4人テーブルくらいの方が話も活発になると思うのですが、今回会場の大きさや使えるテーブルの数から6人人テーブルです。既に同じメンバーで数時間過ごしていますので、ある程度テーブルも温まっているかと思い、イレギュラーですが6人テーブル×4つでやりました。ワールドカフェという手法にについては詳細はコチラで。
ワールドカフェのテーマは《これからの働き方》としました。20分×3ラウンドとし、第1ラウンドは元々の6人で。第2ラウンドはシャッフル。第3ラウンドは元のテーブルに戻ります。各テーブルには模造紙が置いてあり、話をしながら自由にメモを取ったり、大事な言葉を書き留めておけます。テーブルを移りますから、走り書きの残った模造紙は新たに訪れたテーブルで前にどんな会話がなされたかを想像するヒントにもなります。
3ラウンド終わったところでイベントはほぼ終了です。発表なんて時間をつくるのはヤボな気がしました。それぞれに自分のなかで感じるものや残る感覚があったらいいと思いました。
今回のイベントでは会場を貸してくださったボンクラの皆さん、MY ROOMの倉石さん、チャンネルブックス出張カフェのあいちゃん、Book&Cafeひふみよの今井さん、途中でデザイン業界の求人について話してくださったアンドデザインの関谷さん、ジョッガの長峯さん、manz designの太田さん、
そして交流会のケータリングを担当してくださったロジェ・ア・ターブルの安達さんと、若い頃の私からしたら自分の知ってる枠の外側で生きているような人。でもそういう人と会うことで自分の枠自体を認識できるのかもしれない。自分の知っているしごと、知っている働き方をしている人たちだけと時間を共にしていると、自分が枠を持っていることすら気づかない。
60分の交流会は安達さんの料理への感嘆の声に始まり、お腹も心も満たされ予定通りスタートしてから5時間半後の19時に閉幕。宿泊の方は翌朝の朝食&町歩きへと続きますが、日帰りのかたはここで解散です。スタッフは片付けを終わらせ19:40には解散しました。
準備は時間のかかるものでしたが、当日は集まった皆さんのパワーで勝手に進んでいったイベントでした。「ただ情報と考える時間を提供する」というイメージには即していたかと思います。参加者全員にとって実のある時間となったかはわかりませんが、よい感想も届けてくださり、少々ほっとしました。
(ここまでの写真は1166バックパッカーズのインターンスタッフ・りっきー撮影)
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翌日のまち歩きはあまり行程を組まず、参加者の触手に触れるもの、そして運を引き寄せる力に任せてゆるゆるとスタートしました。
- カフェマゼコゼさんにて朝食。40分くらいかなぁと踏んでましたが、なんと90分も滞在!参加者同士で話したり、つねこさんにロケットストーブの話を聞いたり。一晩寝たにも関わらず、笑いやツッコミの絶えない朝食。
- 権堂のパブリックスペース OPENへ。午前中で誰もまだ出勤してないかと思い、外観だけ見るつもりが、ちょうど出勤してこられたグラフィックデザイナーさんに会い見学させていただくことに。ひきの力が強い皆さん。
- 権堂商店街を歩き、秋葉横町へ。最近開店したばかりの自家焙煎の喫茶ヤマとカワへ。営業中だったので外から見るだけのつもりが、心優しいお客さんと店主が見学を快諾してくださり…。予想外は続きます。
- その流れで角居さんのGallery & Factory原風舎へ。忙しいでしょうにいろいろと行程を見せてくださり、「工業製品の丸はひとを寄せ付けない」と話す角居さん。手のなかの錫の器は美しい丸ではあるのだが、やはり角居さんの手と似合う。工業製品とは異なる丸でした。
- まだお参りしていない方もいらっしゃったので、ちょうど法要のあとでお坊さんたちとすれ違いながらの善光寺参拝。
- 行くときは閉まっていたエスプレッソ&ジェラートバー カフェ・テラさんもタイミングよくオープンしたので、信州のうまみたっぷりのイタリアンジェラートをぺろり。
- そして松葉屋家具店+くらし道具学研究所では七代目店主の善五郎さんやスタッフの皆様から温かいおもてなしを受ける。
あっという間に4時間の門前ツアー。
長野市にきて、何に驚くかというと町の人たちの寛大さ。急に旅人を連れていっても、皆さん手を止めて旅人の相手をしてくださる。これはほんとうに、なかなかマネできないこと。それなのに、ほんとうに皆がみんな、手を止めてくださる。不思議でたまらないのだが、そのご好意にいつも甘えている1166バックパッカーズ。ゲストハウスは町が魅力的で、そしてその町に住む人が魅力的でないと成り立たない種の宿だと思っている。この町の方々に感謝と敬意をこめて、この場でももう一度お礼を言いたい。ご近所の皆様、いつも本当にありがとうございます!!
【告知】
このイベントは3ヶ月連続で行います。1166バックパッカーズだけで3ヶ月やる体力がなかったもので、ゲストハウス蔵さんと森と水バックパッカーズさんに企画を持ち込みました。各自が担当月の企画をたてて行います。連続してぜひご参加くださいませ。
6月29日(日)「移住 / ~須坂サイズのまちで店を持つ~」と、サブテーマを起業・開業に変えて須坂市にて行います。次回はゲストハウス蔵の店主・山上万里奈さん主催。
7月6日(日)「長野移住を考えている人向け合宿~出産・育児編~」と、サブテーマを出産・育児に変えて長野市にて行います。7月は森と水バックパッカーズの三井さんご夫婦が主催。
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【おまけ / 模造紙に残された、参加者の考え】
まだまだあります。もっと見たい方はコチラへ。
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【おまけ / イベントを行うときに大切にしていること】
「この企画は飯室さんがされたんですか?」と企画自体に興味を持ってくださった方も数名いらっしゃったので、私がイベントを行うときに大切にしていることを。
1) 参加費
参加費が安いとそれだけ参加までのハードルは下がるけれども、参加意欲の低い人も集まる可能性がある。
そうなると結局は当日キャンセルが多くなったり、受け身の人が多くなる。
参加者が気持ちよく払える範囲で、安すぎない参加費を設定する。
2) 時間
参加費以外で町にお金が落ちるように、スタート時間の設定は「昼食を食べてから」くらいの時間で設定する。
それに伴い参加者には事前に“オススメのランチ処”など情報を案内しておく。
また解散も少し早めに設定などし、2次会に行ける時間設定をする。
もしくは途中の休憩を長めにとり、併設のカフェをキャッシュオンで利用してもらえるように工夫する。
3) 途中参加、途中退室を原則受け入れない。
予定の都合をつけて参加してくださった人を尊重したい。
また途中で人の出入りが多いとどうしても注意力や会の盛り上がりが散漫してしまうため。
4) 紹介
参加者同士はもちろん、スタッフなど会場にいる人がどういう人なのか、会の冒頭で紹介する。
どこのだれかがわからない人が同じ空間に居ないようにする。
5) お願いしたいこと、ご案内は冒頭で。
写真撮影、SNS投稿、トイレの場所、喫煙、電話のマナー、休憩を何度挟むか、終了の時間などうやむやのままでスタートしない。
冒頭で案内する。
6) ユーストはしない
安くない参加費を払って会場に足を運んでくださった人を尊重するため。
また録音、録画されていると思うと自由な発言がしにくくなるため。
7) アイスブレイク兼席替えをする
一人参加の人も、友達同士の参加の人も、フラットな関係でスタートするため。
目の前の二人が喋っているだけで「あ、この人たちは友達同士で参加してるのかな…」と話しかけるタイミングを失いがちになってしまうため。
8) 循環を大切にする
頂いた参加費のなかで、できるだけ地域へ(特に自分が応援したい処に)少しでもお金が落ちるよう心がける。
もちろんその方々のサービスや情報力、話す力を信頼しているので、結果として参加者も満足できるものとなる。
9) 繋がり
FACEBOOKイベントページを作り、そこに「参加」してもらう。
事前にどんな人が集まるかもわかり、会が終わった後も繋がりを作りやすい仕組みを作っておく。
ランチ処など情報提供し、イベント開催までわくわく感を持続してもらうのにも使用。
10) シャイな人の逃げ道を作っておく
手を挙げて発言できる人ばかりではないので、ポストイットや掲示板を用意しておき、匿名でも感情を現せる場所を用意しておく。
11) 設営前を記録する
会場をお借りする場合は設営前の会場を撮影しておく。終わってから元に戻す際に利用。
12) 関わってくださった方に感謝する
イベントは一人ではできないもの。協力のお願いだけでなく、足を運んでくださった参加者、スタッフ、関わってくださった人へ感謝の気持ちを忘れない。
13) イベント貧乏にはならない
イベントで赤字は御法度。参加者が気持ちよく支払っていただき、少量でも関わってくださったかたにお支払いをし、最終的に少しでも黒字になるように企画する。
14) 悔しがってもらう
参加できなかった人に、悔しがってもらいたい。次はぜったい都合をつけて行くぞ、と思わせたい。
15) タイムスケジュール
壇上からの一方的な話ではなく、参加者同士や自分自身と話す時間をとる。
16) まち歩きをする
どれだけこの町のファンになってもらうかはゲストハウスの存続に大きく関わってくる。
まち歩きはお金もかからないわりに、参加者の満足度が得られるポイント。
ただしこれには近隣の方の協力が欠かせない。
通常はイベントの翌日午前中に開催。そうすると宿泊してくれる人も増える。
*いつも全てうまく行くわけではなく、今回も設営前の写真を取り忘れた。KANEMATSUさん、交流会の会場だった粉門屋仔猫さん(イベント当日は定休日)は大丈夫だったよ〜と言ってくれたが、本来ならばきっちり元の形に戻して返却すべき。また会場気をつけていたつもりだがイベント開催したために迷惑をかけてしまった店舗もあった。反省です。
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【おまけ / みなさんの感想】
(みなさん、ありがとうございます。ウルウル)
私自身、こういったイベント参加も初心者ですし、ゲストハウスも今回初デビュー!! 1166バックパッカーズでよかった!! 今回イベントを企画してくださった飯室さんはじめ、関係者のみなさま、本当にありがとうございました! 長野サイコー!p(^_^)q
イベントとして抜かりがなくて素晴らしかったです。 仕事についてのこと、住居のこと、実際に移住してきた人々の話、ここに住む人々の収支、ネットには載らない求人、これからの働き方。 このイベントに参加した人たちのそれぞれの思い。13時半から19時までと長丁場のイベントながら、話は尽きず、イベントが終わって1166宿泊組は帰ってからも、また翌朝も話が続くのでした。 私個人としては、移住っていう明確なプランはなく、今はまだ自分の住みたい県に住み渡っている過程であり、定住すること自体がまだ現実的ではないのですがね。
Uターン起業を検討の最中、長野の現状を垣間見ることができ参加して本当によかったです。誕生日順の席替えやらワールドカフェやらのおかげもあって、色んな考えに刺激を受けました。
5万円以下のハローワークは、たいへん、おもしろかった。近い価値観の人たちがばらばらの場所から集まって、昼夜話し込み、そしてまた、ばらばらと帰っていった。あの夜あそこで話したあの人の名前を結局知らない、そんな出会いがもしかしたら豊かかもしれない。
今日はありがとうございました。ケータリングも美味しかったです。テーブルごとの模造紙、写真か何かでゆっくり見たいです。よろしくお願いします!
とってもいい企画だなぁと思いました!出会いと生き方、働き方のお膳立て、というか、背中を押すというか、
昨日はありがとうございました。朝食からの街歩きホントにほんとーおおおおおに楽しかったです。
今日、昨日と本当にどうもありがとうございました!ワークショップでは自分との対話や様々な方との対話の中で仕事だけでなく、もっともとにある大切なことについて考えられたような気がいたします。楽しかったです!
今回の移住イベント、最初から最後まで本当に行き届いたお心遣いにより、とっても充実していて楽しかったです!長野への移住を自分の身に置き換えて、よりリアルにイメージできたし、何より長野に住んでいるみなさん、参加者のみなさんとの密な交流がすごくよかったです。
ちなみに私自身とても保守的で、親から言われた性格は「長所は真面目、短所は生真面目」。大学時代はコレといって何をしたわけでもなく、単位を取ってバイトをしていただけ。実家から片道2時間半の道のりを通学していたので、周りに特段仲のいい友達もいなかったため、周りが就職活動始めているのにも気づかず、乗り遅れた人。
ただそれが功を奏してか(はたまた自由人の親や兄の背中を見て育ってはいたためか)、就活から逃げるようにワーホリで海外へ行き、バイトしだしたツアー会社で気づいたら就労ビザを出してもらったり、今度は安月給ながらも海外で日本人向け雑誌の出版社で働くことになったり、いろんな縁とタイミングでしごとに就き、とりあえず、その都度その都度でやりたいことを選択していってもしごとには困らないような気がしてきていました。
声をかけてもらって、自分の触手が動けばやってみる。それこそ、BELIEVE YOUR TORIHADA、だったのかもしれない。
あ、ちょっと脱線しましたね…。イベントの記録に戻ります。
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【企画に至る経緯】
- 「しごとさえあれば、長野市に移住したい」という旅人が少なからず泊まりにくる。
- 旅人は「しごとはなんでもいい」というが、本心は何でもいいわけではないと思う。(だから現に妄想の域で終わっている)
- 観光スポットがあるだけではダメ。町、そこに住む人が魅力的でないとゲストハウスに旅人は集まらない。また移住を決める発端には旅があることも多い。そういう意味では旅と移住は一本の線の上にあると思う。
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今回のイベントは準備に時間がかかりました。ただ「移住 / しごと」、と言っても何をすればいいか。はじめのころにアイデアとして出ていたのは、「就職」というキーワード。例えば「起業、開業欲のない人」への「就職斡旋」。行政の方の話を伺ったり、長野市にどういう就労サポートがあるか…そんな話を聞く勉強会。ただ自分のなかで違和感がありました。しごととは「就職」VS「起業・開業」の二項対立ではなく、「自分の責任の元に選んだかどうか」なのではないかと。それは自分の周りで気持ちよく働いている人が共通してやっていることでもあった。そして「自分の責任」で選ぶためには、そもそも自分が何をやりたいか、自分自身のことがわからないといけない。そこをすっ飛ばしていると、何か嫌なことがあったときに誰かに責任転嫁してしまうのではないか。また忙しさを理由に他の人に会ったり、声に耳を傾ける時間をとってこなかったのではないか。自分の価値観のなかだけで生きているのではないか。そこで、【推測】【イベント全体のイメージ】として追加項目をたてた。(偉そうに書いてるけど、自分自身もバイト漬けの学生生活でした…)
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【企画に至る経緯】
- 「しごとさえあれば、長野市に移住したい」という旅人が少なからず泊まりにくる。
- 旅人は「しごとはなんでもいい」というが、本心は何でもいいわけではないと思う。(だから現に妄想の域で終わっている)
- 観光地があるだけではダメ。町、そこに住む人が魅力的でないとゲストハウスに旅人は集まらない。また移住を決める発端には旅があることも多い。そういう意味では旅と移住は一本の線の上にあると思う。
【推測】
- 忙しいというのが言い訳になり、「自分がなにを大切にしたいか」について考えてこなかったのではないか。
- 移住に関してあまり調べもせずに「きっとムリだろう」と思い込んでないか。ただの憧れになっていないか。
【イベント全体のイメージ】
- 移住を過大評価することもなく、今のしごとを過小評価することもなく、ただ情報と考える時間を提供する。
- 移住を促進したいわけではない。情報と自分の声を聞く時間、人と話す時間をもって、移住を諦める人がいてもいい。
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(前述の通り自分自身も保守的で自分の価値観のなかで生きていたために悩み迷った。運良く「気持ちよく働ける環境」に今いるけれども、正直それに強く働きかけたわけでもないし、どういうきっかけだったかわからないんだけれども…。)
雇用するほうの気持ちも考えてみると、旅人のしごとが「なんでもいい」わけではないのと同様に、こちらもこちらで「誰でもいい」わけではない。自分の責任のもとで働きかたを選び、働いている人たちなので、雇用に関しても自分自身のしごとに対する責任があるからだと思う。(これはどちらかというと求職者の将来に対する責任、とまではこの段階ではいかないように私は思う)
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【企画に至る経緯】
- 「しごとさえあれば、長野市に移住したい」という旅人が少なからず泊まりにくる。
- 旅人は「しごとはなんでもいい」というが、本心は何でもいいわけではないと思う。(だから現に妄想の域で終わっている)
- 観光地があるだけではダメ。町、そこに住む人が魅力的でないとゲストハウスに旅人は集まらない。また移住を決める発端には旅があることも多い。そういう意味では旅と移住は一本の線の上にあると思う。
- 雇用する側も「誰でもいい」わけではない。
- 実際にFACE TO FACEの状態で雇用が生まれていくのを目の当たりにしている
【推測】
- 忙しいというのが言い訳になり、「自分がなにを大切にしたいか」について考えてこなかったのではないか。
- 移住に関してあまり調べもせずに「きっとムリだろう」と思い込んでないか。ただの憧れになっていないか。
【イベント全体のイメージ】
- 移住を過大評価することもなく、今のしごとを過小評価することもなく、ただ情報と考える時間を提供する。
- 移住を促進したいわけではない。情報と自分の声を聞く時間、人と話す時間をもって、移住を諦める人がいてもいい。
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ということで、企画はとりあえずここまで来た。しごとに関していうと、ハローワークの情報を出したところで、おもしろくない。そんなのはうちじゃなくたって手に入る。行政の人には縁がない私。就労サポートに関しても、自分の思いつく移住希望者が求めている情報とはちょっと違うという勘。それでも、「しごとさえあったら移住するのになぁ」と言っている旅人の、「しごと」はどうやら「収入」に置き換えられるような気がした。ライフワークとしてのしごと、というより、生活を支えていくための「収入」。ある程度社会人を経験したとくに男性にとって「無職」という言葉は一種恐怖であるような気もする。ではいくらの収入があればいいのか。それはいくら【支出】しているかが重要なはず。さて、長野市の人たちがいくら支出しているのか。私自身のはいくらでも教えられるけれども、さすがに近所のかたに「あなたの収支、教えてください」とは聞きづらい…。
と思っていたら、意外にも「え、別にいいですよ、教えますよ」なんて人がチラホラ出てきた。親切だね、みんな…。FBで呼びかけてみたら、友達が友達を紹介してくれ、20代、30代などの《年齢》や、学生、自営業、勤め人、公務員などの《働き方》、《性別》、《家族の有無》《子供の有無》などまんべんなく、なんだかんだで17名分が収支を公開してくれた。各家庭の月給、ボーナス、家賃、水道、電気、ガス、灯油、駐車場、交通費、食費、外食費という項目をたてアンケートを取り、下記のように1家庭1枚の紙にプリントした。
ここで大切なのは情報提供者がいくらの収入を得ているかというよりも、いくらの支出で生活しているかです。例えば上記の情報からは家賃のイメージができ、また「自炊をすればどのくらい削れる…」なんてイメージもできるかもしれません。こういうデータが17人分あるので、こころのなかで自分のライフスタイルや自分の収支と比べてもらいます。知らない者同士6人で1テーブルを作っていたので、17枚を1セットとし各テーブルに配り、テーブルごとに意見もシェアしてもらいました。
「この人、外食費高すぎ!」
「夏にクーラーないって…」「え、長野市はクーラーなくって生活できますよ、うちも無いです」
「都市ガスよりプロパンはだいぶ高いらしい」
「店舗件住居の場合、按分したら家賃はだいぶ低い…」
そんな声が各テーブルから聞こえてきます。
支出のイメージができれば、次にその支出をまかなうくらいの収入を得るにはどうしたらいいのか、となる。
ただ、今回はしごと=収入の話をする前に移住と切り離せない【住居】の話をMY ROOMの倉石さんに挟んでいただきました。(リンク先のFACEBOOKページがあまり更新されていないことから倉石さんの忙しいさが垣間見えたりします…)。不動産屋さんというと事務所を構えそこに常駐し、そこへ物件を持っている人が相談に行き、また物件を探している人が相談に行く、それを仲介するようなしごとに思うのだが、倉石さんが事務所に居る姿はレア。自転車で町を走り抜けて行く姿の方がよく見かける。自分の足で空き家を探しに出かける倉石さんは「朝だとわざわざチャイムを押さなくても、大家さんが庭先で花に水やりしてたりするので話しかけやすい」そんなこともおっしゃっていました。倉石さんからは家賃の相場、住環境、車は必要か、シェアハウス…そんな話をうかがいました。また個人的に「まちなか菜園をやりたいけれども、そんな物件はありますか?」なんて相談をされている方もいらっしゃいました。
チャンネルブックスの出張カフェに加えて、テーマに合わせてセレクトしてくれた近所のBook&Cafe ひふみよさんの出張文庫も来ていましたので、ここで挟んだ休憩も有意義だったかと思います。
休憩のあとは、収入、つまり【しごと】の話を。まず長野の有効求人倍率、日本の平均労働時間、1日のなかでしごとに費やす割合をイメージしました。稼ぐためだけに働き、余暇を充実させるONとOFFを分けるのもひとつの手。しごとそのものを充実させるのもひとつの手。その人が選択し、満足しているのであれば、周りの人が肯定や否定をする必要はないわけで。こちらとしてはただ情報を出し、参加者の皆さんに考える時間を持ってもらいます。
ただエンゲージメントという観点から考えると、インターネットや雑誌で見かける求人情報は雇い主の顔が見えず、雇い主も求職者の顔を見ようとしてはいない。自分としてはFACE TO FACEの方がエンゲージメントは高くなると思う。1166バックパッカーズには移住したての人もよく顔を出します。そして人と人との繋がりからしごとを見つけて行く人も多い。偶然ラウンジに居合わせた人のところでバイトすることになったり、食事にでかけたら「次の週末、人が足りないから手伝って」と言われたり、「おもしろい人に会いたいから、2週間1166BPで働かせてください」という人がき、見事におもしろい人から仕事を得たり。
自分のしごとを選択して今にいたる個人事業主側からしても、雇用するのも「誰でもいい」わけではない。「自分が気持ちよく一緒に働けるひと」、「このひとと組むことで新しい可能性が生まれるひと」、そういう人を求めているのだと思う。またうちもそうだが、1つの店舗でひとりのスタッフに月給20万を出せるほど収入は安定していない業種も多い。しごとが多い時は手が足りないが、それほど忙しくない時期もある。コンスタントに人件費を払い続けるというよりも、忙しいときだけ手伝ってほしい。これは求職者からすると「不安定だからイヤ」と思われることも多いと思うが、「自分でものづくりをしていて、でもそれだけでは食っていけないから少しバイトをしたい」だとか、「まだ何を本業にしたいか探しているので、いろんなことを少しずつ試したい」なんて人もいる。互いが条件をクリアした場合、出会った雇用主と非雇用者の関係はどちらにとっても幸せなものになりそうな気がする。
こういう求人情報はネットに出てくるべきではない気がしたので、ダミーで1166バックパッカーズの求人を下記に添付しますが、こういう感じで合計10つほどの「5万円以下の求人」を出しました。
また、「雇えないけれども、こんな人がいたらいいのにな」という情報も事前に収集した。斯く言う私自身も、松本市と長野市で開業を迷っていた際に、「こっち(長野市)でやってくれたら、うちでギャラリーやるときに作家さんに泊まってもらえるところができるんだけど」だとか「改装手伝える」だとかの声をいただき、それは長野市で開業する大きな決め手となっている。もちろんそのクオリティによるところではあるが、買い支えてくれる人が多くいればそのお店は成り立つのかもしれない。事前に「買い支える求人」として近隣の方から下記のように50以上の情報が集まっていたので、こちらはひとつの意見に対し1枚の紙に、という形でプリントしておきました。
ネットに出てこない「5万円以下の求人」と「買い支える求人」、合計65枚ほどを会場に掲示しました。ただし、見てもらう前に、同じテーブル内で2人組を作ってもらい、その二人だけで少し深めの自己紹介を10分ほどしてもらいました。10分後に何をしたかというと、掲示してある求人情報から、今話していた相手に合いそうな求人を見つけてくる、ということ。掲示した求人は職業名を紙からちぎれるようにしておきました。自分自身がもつ価値観や限界の外側にいる人から、自分自身はどんなふうに見えているのか。何ができそうに見えているのか。試験的な試みでしたが、笑いが生まれ、話もつきない時間となりました。
もう一度休憩を挟みます。その間に各テーブルには模造紙を。休憩開けから【ワールドカフェ】へと入る準備です。
ワールド・カフェとは、“カフェ”にいるようなリラックスした雰囲気のなか、参加者が少人数に分かれたテーブルで自由に対話を行い、ときどき他のテーブルとメンバーをシャッフルしながら話し合いを発展させていくこと。相互理解を深め、集合知を創出していく組織開発の手法です。(kotobankからの引用)
本来であればワールドカフェは4人テーブルくらいの方が話も活発になると思うのですが、今回会場の大きさや使えるテーブルの数から6人人テーブルです。既に同じメンバーで数時間過ごしていますので、ある程度テーブルも温まっているかと思い、イレギュラーですが6人テーブル×4つでやりました。ワールドカフェという手法にについては詳細はコチラで。
ワールドカフェのテーマは《これからの働き方》としました。20分×3ラウンドとし、第1ラウンドは元々の6人で。第2ラウンドはシャッフル。第3ラウンドは元のテーブルに戻ります。各テーブルには模造紙が置いてあり、話をしながら自由にメモを取ったり、大事な言葉を書き留めておけます。テーブルを移りますから、走り書きの残った模造紙は新たに訪れたテーブルで前にどんな会話がなされたかを想像するヒントにもなります。
3ラウンド終わったところでイベントはほぼ終了です。発表なんて時間をつくるのはヤボな気がしました。それぞれに自分のなかで感じるものや残る感覚があったらいいと思いました。
今回のイベントでは会場を貸してくださったボンクラの皆さん、MY ROOMの倉石さん、チャンネルブックス出張カフェのあいちゃん、Book&Cafeひふみよの今井さん、途中でデザイン業界の求人について話してくださったアンドデザインの関谷さん、ジョッガの長峯さん、manz designの太田さん、
そして交流会のケータリングを担当してくださったロジェ・ア・ターブルの安達さんと、若い頃の私からしたら自分の知ってる枠の外側で生きているような人。でもそういう人と会うことで自分の枠自体を認識できるのかもしれない。自分の知っているしごと、知っている働き方をしている人たちだけと時間を共にしていると、自分が枠を持っていることすら気づかない。
60分の交流会は安達さんの料理への感嘆の声に始まり、お腹も心も満たされ予定通りスタートしてから5時間半後の19時に閉幕。宿泊の方は翌朝の朝食&町歩きへと続きますが、日帰りのかたはここで解散です。スタッフは片付けを終わらせ19:40には解散しました。
準備は時間のかかるものでしたが、当日は集まった皆さんのパワーで勝手に進んでいったイベントでした。「ただ情報と考える時間を提供する」というイメージには即していたかと思います。参加者全員にとって実のある時間となったかはわかりませんが、よい感想も届けてくださり、少々ほっとしました。
(ここまでの写真は1166バックパッカーズのインターンスタッフ・りっきー撮影)
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翌日のまち歩きはあまり行程を組まず、参加者の触手に触れるもの、そして運を引き寄せる力に任せてゆるゆるとスタートしました。
- カフェマゼコゼさんにて朝食。40分くらいかなぁと踏んでましたが、なんと90分も滞在!参加者同士で話したり、つねこさんにロケットストーブの話を聞いたり。一晩寝たにも関わらず、笑いやツッコミの絶えない朝食。
- 権堂のパブリックスペース OPENへ。午前中で誰もまだ出勤してないかと思い、外観だけ見るつもりが、ちょうど出勤してこられたグラフィックデザイナーさんに会い見学させていただくことに。ひきの力が強い皆さん。
- 権堂商店街を歩き、秋葉横町へ。最近開店したばかりの自家焙煎の喫茶ヤマとカワへ。営業中だったので外から見るだけのつもりが、心優しいお客さんと店主が見学を快諾してくださり…。予想外は続きます。
- その流れで角居さんのGallery & Factory原風舎へ。忙しいでしょうにいろいろと行程を見せてくださり、「工業製品の丸はひとを寄せ付けない」と話す角居さん。手のなかの錫の器は美しい丸ではあるのだが、やはり角居さんの手と似合う。工業製品とは異なる丸でした。
- まだお参りしていない方もいらっしゃったので、ちょうど法要のあとでお坊さんたちとすれ違いながらの善光寺参拝。
- 行くときは閉まっていたエスプレッソ&ジェラートバー カフェ・テラさんもタイミングよくオープンしたので、信州のうまみたっぷりのイタリアンジェラートをぺろり。
- そして松葉屋家具店+くらし道具学研究所では七代目店主の善五郎さんやスタッフの皆様から温かいおもてなしを受ける。
あっという間に4時間の門前ツアー。
長野市にきて、何に驚くかというと町の人たちの寛大さ。急に旅人を連れていっても、皆さん手を止めて旅人の相手をしてくださる。これはほんとうに、なかなかマネできないこと。それなのに、ほんとうに皆がみんな、手を止めてくださる。不思議でたまらないのだが、そのご好意にいつも甘えている1166バックパッカーズ。ゲストハウスは町が魅力的で、そしてその町に住む人が魅力的でないと成り立たない種の宿だと思っている。この町の方々に感謝と敬意をこめて、この場でももう一度お礼を言いたい。ご近所の皆様、いつも本当にありがとうございます!!
【告知】
このイベントは3ヶ月連続で行います。1166バックパッカーズだけで3ヶ月やる体力がなかったもので、ゲストハウス蔵さんと森と水バックパッカーズさんに企画を持ち込みました。各自が担当月の企画をたてて行います。連続してぜひご参加くださいませ。
6月29日(日)「移住 / ~須坂サイズのまちで店を持つ~」と、サブテーマを起業・開業に変えて須坂市にて行います。次回はゲストハウス蔵の店主・山上万里奈さん主催。
7月6日(日)「長野移住を考えている人向け合宿~出産・育児編~」と、サブテーマを出産・育児に変えて長野市にて行います。7月は森と水バックパッカーズの三井さんご夫婦が主催。
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【おまけ / 模造紙に残された、参加者の考え】
まだまだあります。もっと見たい方はコチラへ。
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【おまけ / イベントを行うときに大切にしていること】
「この企画は飯室さんがされたんですか?」と企画自体に興味を持ってくださった方も数名いらっしゃったので、私がイベントを行うときに大切にしていることを。
1) 参加費
参加費が安いとそれだけ参加までのハードルは下がるけれども、参加意欲の低い人も集まる可能性がある。
そうなると結局は当日キャンセルが多くなったり、受け身の人が多くなる。
参加者が気持ちよく払える範囲で、安すぎない参加費を設定する。
2) 時間
参加費以外で町にお金が落ちるように、スタート時間の設定は「昼食を食べてから」くらいの時間で設定する。
それに伴い参加者には事前に“オススメのランチ処”など情報を案内しておく。
また解散も少し早めに設定などし、2次会に行ける時間設定をする。
もしくは途中の休憩を長めにとり、併設のカフェをキャッシュオンで利用してもらえるように工夫する。
3) 途中参加、途中退室を原則受け入れない。
予定の都合をつけて参加してくださった人を尊重したい。
また途中で人の出入りが多いとどうしても注意力や会の盛り上がりが散漫してしまうため。
4) 紹介
参加者同士はもちろん、スタッフなど会場にいる人がどういう人なのか、会の冒頭で紹介する。
どこのだれかがわからない人が同じ空間に居ないようにする。
5) お願いしたいこと、ご案内は冒頭で。
写真撮影、SNS投稿、トイレの場所、喫煙、電話のマナー、休憩を何度挟むか、終了の時間などうやむやのままでスタートしない。
冒頭で案内する。
6) ユーストはしない
安くない参加費を払って会場に足を運んでくださった人を尊重するため。
また録音、録画されていると思うと自由な発言がしにくくなるため。
7) アイスブレイク兼席替えをする
一人参加の人も、友達同士の参加の人も、フラットな関係でスタートするため。
目の前の二人が喋っているだけで「あ、この人たちは友達同士で参加してるのかな…」と話しかけるタイミングを失いがちになってしまうため。
8) 循環を大切にする
頂いた参加費のなかで、できるだけ地域へ(特に自分が応援したい処に)少しでもお金が落ちるよう心がける。
もちろんその方々のサービスや情報力、話す力を信頼しているので、結果として参加者も満足できるものとなる。
9) 繋がり
FACEBOOKイベントページを作り、そこに「参加」してもらう。
事前にどんな人が集まるかもわかり、会が終わった後も繋がりを作りやすい仕組みを作っておく。
ランチ処など情報提供し、イベント開催までわくわく感を持続してもらうのにも使用。
10) シャイな人の逃げ道を作っておく
手を挙げて発言できる人ばかりではないので、ポストイットや掲示板を用意しておき、匿名でも感情を現せる場所を用意しておく。
11) 設営前を記録する
会場をお借りする場合は設営前の会場を撮影しておく。終わってから元に戻す際に利用。
12) 関わってくださった方に感謝する
イベントは一人ではできないもの。協力のお願いだけでなく、足を運んでくださった参加者、スタッフ、関わってくださった人へ感謝の気持ちを忘れない。
13) イベント貧乏にはならない
イベントで赤字は御法度。参加者が気持ちよく支払っていただき、少量でも関わってくださったかたにお支払いをし、最終的に少しでも黒字になるように企画する。
14) 悔しがってもらう
参加できなかった人に、悔しがってもらいたい。次はぜったい都合をつけて行くぞ、と思わせたい。
15) タイムスケジュール
壇上からの一方的な話ではなく、参加者同士や自分自身と話す時間をとる。
16) まち歩きをする
どれだけこの町のファンになってもらうかはゲストハウスの存続に大きく関わってくる。
まち歩きはお金もかからないわりに、参加者の満足度が得られるポイント。
ただしこれには近隣の方の協力が欠かせない。
通常はイベントの翌日午前中に開催。そうすると宿泊してくれる人も増える。
*いつも全てうまく行くわけではなく、今回も設営前の写真を取り忘れた。KANEMATSUさん、交流会の会場だった粉門屋仔猫さん(イベント当日は定休日)は大丈夫だったよ〜と言ってくれたが、本来ならばきっちり元の形に戻して返却すべき。また会場気をつけていたつもりだがイベント開催したために迷惑をかけてしまった店舗もあった。反省です。
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【おまけ / みなさんの感想】
(みなさん、ありがとうございます。ウルウル)
私自身、こういったイベント参加も初心者ですし、ゲストハウスも今回初デビュー!! 1166バックパッカーズでよかった!! 今回イベントを企画してくださった飯室さんはじめ、関係者のみなさま、本当にありがとうございました! 長野サイコー!p(^_^)q
イベントとして抜かりがなくて素晴らしかったです。 仕事についてのこと、住居のこと、実際に移住してきた人々の話、ここに住む人々の収支、ネットには載らない求人、これからの働き方。 このイベントに参加した人たちのそれぞれの思い。13時半から19時までと長丁場のイベントながら、話は尽きず、イベントが終わって1166宿泊組は帰ってからも、また翌朝も話が続くのでした。 私個人としては、移住っていう明確なプランはなく、今はまだ自分の住みたい県に住み渡っている過程であり、定住すること自体がまだ現実的ではないのですがね。
Uターン起業を検討の最中、長野の現状を垣間見ることができ参加して本当によかったです。誕生日順の席替えやらワールドカフェやらのおかげもあって、色んな考えに刺激を受けました。
5万円以下のハローワークは、たいへん、おもしろかった。近い価値観の人たちがばらばらの場所から集まって、昼夜話し込み、そしてまた、ばらばらと帰っていった。あの夜あそこで話したあの人の名前を結局知らない、そんな出会いがもしかしたら豊かかもしれない。
今日はありがとうございました。ケータリングも美味しかったです。テーブルごとの模造紙、写真か何かでゆっくり見たいです。よろしくお願いします!
とってもいい企画だなぁと思いました!出会いと生き方、働き方のお膳立て、というか、背中を押すというか、
昨日はありがとうございました。朝食からの街歩きホントにほんとーおおおおおに楽しかったです。
今日、昨日と本当にどうもありがとうございました!ワークショップでは自分との対話や様々な方との対話の中で仕事だけでなく、もっともとにある大切なことについて考えられたような気がいたします。楽しかったです!
今回の移住イベント、最初から最後まで本当に行き届いたお心遣いにより、とっても充実していて楽しかったです!長野への移住を自分の身に置き換えて、よりリアルにイメージできたし、何より長野に住んでいるみなさん、参加者のみなさんとの密な交流がすごくよかったです。
http://www.1166bp.com/
2015年9月の気になるイベント
掌に収まる、果てしない旅
長野市の11月のイベント
ゲストハウスオーナートークイベント 【とりいくぐる×1166BP】
イベント
【移住して子育て 『長野のばあい』~出産・育児編~】の記録
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