アンタッチャブルなアウトプット

ちょっとタブーな、アンタッチャブルな感じもして、
ブログに書くのはやめようと思っていたのですが、
数日、いろいろな出来事のインプットが続き、
心の中でぐるぐると渦巻く気持ちをアウトプットしないことには前に進めないような気がしたので、
やっぱり書いておこうと思います。

先日、宿泊してくださった外国人2名。
(そう、あの置手紙の2人組です)

置手紙とともにチップを残してくださっていました。
1泊2600円の安宿に宿泊代とは別に、その数倍もするチップを残されて、
それを見たときは、正直に言うと心苦しかったです。


私は20代の前半にカナダのロッキー山脈で日本人観光客相手の現地ツアーガイドをしていました。
そのころはチップをもらうのは日常のことでした。
(サービスに応じて、というよりもあらかじめ旅行会社から現地のガイド1名に対していくらと予算組されているものでして)

前職のホテルでも常連のお客様方からお預かりすることはありましたが、
それはあくまでも自分は一番お客さんと近いところにいたので手渡されただけであって、
会社全体の評価としてくださっていたものです。


それが今回は、自分自身に渡された、そう感じました。

自分が彼らとのやり取りのなかで

「一瞬一瞬を丁寧に対応できていたのだろうか」

とか、

「もっと何かしてあげられたんではないだろうか」

とか、そういう気持ちが押し寄せてきました。

(彼らからの置手紙で少し心が和らぎもしましたが)


彼らは私の知らないところで、友人たちに

“Japan needs tourists.”(日本は観光客を必要としている)

と強く発信もしてくれていたのに、あとから気付きました。

何とお礼を言っていいかわからず、
頂いたチップをどう使えばこれから日本全国に外国人観光客に来てもらえるのか、
いろんな感情が渦巻いています。
とりあえずは、今の気持ちを素直に彼らに伝えておきました。

そして、もう1点。
ゲストハウスやバックパッカーズイン、ホステルを利用する人たちは、決して“安い”というだけの理由で利用しているわけではないのです。
よく取材の依頼で「安宿の秘密を探る!」なんてタイトルを付けられたりするのですが、
そうじゃないんです。
そんな表面的な部分ではないんです。
泊まった人しか得られない気持ちが、バックパッカーズインにはあるんです。


************************************************************
Thank you very much for visiting 1166backpackers.
I am very pleased to know that you enjoyed your stay here.
Same as you, I had wonderful days with you.
Unfortunately foreign tourists are being scared with what's happening.
If I were you, I might postpone the trip because of too much exaggerated information.
But tourism is one of the best resources to help our country.
So I really happy when I read your letter.

I really don't know how to thank you. You gave me more than I deserve.
I am still thinking how to consume your gratitude for the people who are coming to Japan properly.

I hope to see you again in the near future.
Take care and have a wonderful days in Japan.

Best regards.

1166バックパッカーズにお越しいただき、本当にありがとうございました。
あなたがここでの滞在を楽しんだと知って、とてもうれしかったです。
あなた方と同じように、あなた方との時間は私にとってもすばらしいものでした。

残念なことに外国人旅行者は今(日本で)起こっていることに対して、とてもおびえています。
もし私があなただったとして、沢山の過度な情報のせいで旅行を延期していたかもしれません。
しかし観光は日本を救うひとつの資源なのです。
ですので、あなた方の手紙を読んでとてもうれしかったです。

私はあなた方にお礼のしようがありません。
私のしたことは、あなた方のそのお礼のお気持ちに値するほどのことではないです。
あなた方のお気持ちをどのようにすれば日本に来る外国人旅行者のためにきちんと使えるのか、いまだ考えています。

近いうちにまたお会いできることを願っています。
お気をつけて、日本を楽しんでください。



http://www.1166bp.com/
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2011年04月24日 Posted by1166 バックパッカーズ at 19:04 │Comments(2)日々の営み

この記事へのコメント
オリエさんの人柄や志があふれるこのブログをいつも楽しみに読ませていただいている長野市民です。
バックパッカーズインというと、単なる安い宿泊施設という先入観があったのですが、つまらない思い込みが吹き飛びました。また、オリエさんがゲストハウス運営を通して、やろうとしていることに感銘しました。
仕事で、全国の様々な観光都市などを訪れ話を聞く機会が多いのですが、どこも行政や商工会、あるいは大資本の力に期待をかけたものでした。個人で地域と関わり、切り開いていくオリエさんの行動力はとてもまぶしく、こういう方の強い思いがちょっと閉鎖的な長野を変えてくれるのではないかと感じます。
部外者があれこれ言うのは僭越なのですが、チップへの思いを読んで
「これからもぜひ前へ進んでほしい」と思い、コメントさせていただきました。
私自身は英語が苦手で外国人ゲストさんと同席したらきっとドキドキしてしまうと思うのですが、勇気を出していつかきっと宿泊させていただきたいと思います。
これからも頑張ってください!
Posted by rinkaito at 2011年04月25日 00:57
rinkaitoさま>ありがとうございます。といっても、ちゃらんぽらんな私、たいしたこともやっておらず、できてもいないのですが…。昨日、「景気はどうだい?」と近隣のオジサマに尋ねられたので、「やっぱり震災の影響はありますよ~」と答えたら「ほう、長野でも観光客に影響はあるのか~」と驚かれました。そして「あんたのPRが足りんのだわ!」と。そーなんですよーわかってまーす。もっともっとPRせんといかんのだと思います。『観光に直接携わってる人以外も一丸となって長野をPRしていきましょう!』と言いたかったのに、オジサマに言えなかった…。次は頑張って言ってみようっと。
Posted by 1166 バックパッカーズ at 2011年04月25日 09:42
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