関西ツアーの振り返り

「ふるさとがない」と嘆く人がいるが、「あ、カノさん久しぶり!」と道で声をかけてくれるような顔見知りの人がいる地域こそ「ふるさと」と呼ぶルールにしてはどうだろうか。訪れた名所の数を誇るのではなく、訪れた地域で暮らす人とのつながりを誇れるような生き方がしたい。
狩野哲也さんがツイートされた言葉が、とてもしっくりくる。

少し落ち着いたので、先日の関西ツアーを振り返ってみる。
ダラダラ日記のようで、果たして1166バックパッカーズのブログなのか、これは?
と疑問も感じるわけだけど、1166バックパッカーズを運営している人がどういう思考かを知ってもらうのもいいのかもしれない。

まずは大阪で狩野さんと会う。
狩野さんは関西在住時代にお友達に。
コピーライター、イベントのディレクション、執筆などの仕事の他に、サロン文化大学という活動もされている方。
お友達になってから数年たつけれど、既存の言葉(肩書)で表すというのは難しいもので、
でも『こういうことを相談したら、何かアイデアを返してくれる人』、のように私のあたまのなかには“こういうこと”の枠があるんです。

偶然にもエフスタイルさんにも会えた。
エフスタイルさんは6月に札幌でお話した以来の再会だったにも関わらず、覚えていてくださったこと。
うれしい。
旅人を迎えるとき、やっぱり記憶力は必要。
こっちも、あっちも、前に来た時のことが思い出せると会話もはずむし、とにかくうれしい。
エフスタイルさんは「製造以外で商品が流通するまでに必要なことはすべてやってみること」をモットーに、デザイン提案から販路の開拓まで一貫して請け負う。
そんな方々の思いも一緒に、ステインプルーフのパソコンケースを購入。
誰から買うか、それはとても大切なことだと実感。
買うという行為は、ただ単に物とお金の移動だけでなく、
物を通じて、販売者と作り手の思いを受け取り、それを応援したい!という気持ちも移動する。

同じ場所で小谷村大網のsakkoさん、以前うちに泊まってくれたまみちゃん&やっこさん、リビングワールドの西村さんにも会う。ステージがまだ全然違う人だけど、やっぱり覚えいてくださるのはうれしい。

こうして小さなところで、きゅっとそこが好きな人が集まって、「あぁ、お久しぶりです」。
幸せな時間。

sakkoさんが大網集落の話を「初めまして」の狩野さんにする。
狩野さんの頭のなかのシナプスが行ったり来たりしながら繋ぎ合っているのが見えたような気がした。
狩野さんがいろんな提案を出してくる。
大網について5時間くらい、しゃべってた気がする。
泊まったのはHOSTEL64OSAKA
『ゲストハウス=安宿』じゃない。
「ゲストハウスでいいんです。寝れればどこでもいいから」なんていうような人に見せてやりたい(笑)、そんなすてきな宿。

翌日は、studio-Lにお邪魔。
そねちゃんもすごい。
すごいな、と私が感じる人の共通項。
人の話の要点を聞く能力。
それを自分の頭のなかで整理する力。
そして相手に適した提案をする力。
スピード感もちつつ、的確に提案まで行く。
見ながら、感じながら、場数を踏みたいと自分に言ってみる。

昼からは奈良へ。
狩野さんと奈良県立図書情報館の共催企画の「ローカルブックレヴュー&クロストーク4」に参加。
「地方」や「地域」の存在が見直される今、
「地域」に関わって活動し、
それを一冊の本にまとめた著者と、
現に「地域」で暮らし活動している方をゲストに迎え、
「地域」と自分とのつながりや
「地域」から考える自分の立ち位置などを、
参加者とともに考えるフォーラム


話し手は山納洋さんと岩淵拓郎さん。
お二人も肩書で表現をするのが難しい人だな、なんて個人的に感じる。
そもそも肩書ってなんなんだろう…。
あ、さっこさんも同じように考えていた。
気にしてたわけでないのに、若干共通するようなこと書いてるような気もする。


一カ所からの給与だけ、だとか、ひとつの職種からの収入だけで生きていると、
そことの関係性がうまくいくように、必死になってしまって、
実は自分がやりたいことを見失ってしまったりしそう(私は)。
なので、お百姓さんってのは、さいきんピタっとくる考え方。
実際の村落には多様な生業を持つ者が住んでいた。百姓=農民というイメージは江戸時代から続く古い俗説であるが、実際には現代の「兼業農家」よりも広い生業を含んでいる。 (wikiより)


お三方の会話から沢山の興味深いキーワードをもらったけれど、
自分なりの解釈を交えると、「その土地でのストーリー」だとか「本やネットの情報だけでなく自分の耳や目でリアルに得る情報」「なんでそれやってんの?」という思いをしっかりもつことの大切さを改めて実感。

なんだか沢山の人に会った。
もちろん交通費や宿泊代、参加料などなど、お金もかかったけれども、
こういう時間が自分の心を豊にしていくと思うし、
自分への教材費、勉強代。
ちゃんと身になるように、自分のなかで少しずつ噛み砕いていきたい。  

2013年01月26日 Posted by 1166 バックパッカーズ at 23:00Comments(0)日々の営み